ikachu’s blog

酒、バイク、サバイバル

バイクソロキャンプデビュー・荒船山へのデスハイウェイで地獄を見た④

俺は今まで「キャンプ」と言う儀式を一度もしたことがない。

キャンプ場にたどり着いたら、まず管理棟でショバ代を払い受け付けを済ませる事をこのとき初めて知った。

「荒船パノラマキャンプフィールド」は中々スガスガしい場所であった。

ここをキャンプ地とする

ゴールデンウイーク中なのでファミリー層が多い中、俺は一人ギラついた眼差しで自分のショバを見定め、慣れない手つきでテントを張る

よくユーチューブで素人が使っていそうなアウトドア用のイス、机、一人用の焚き火台をセットするともう他にやる事がないので酒を飲み始めるのだ

 

漢は黙って黒ラベル

ウマい

 

昼酒はなぜこんなにウマいのだろうか

早い時間に出てきたのでまだ14時前。

そして俺は不慣れな所作で炭に着火し、思う存分ブツを焼いてゆく

エビ、イカ、ニク、箸休めのヤサイ

 

これでいつホームレスになっても大丈夫



酒と肴で一段落し周りを見廻すとバイクで来ている輩も結構いる

やはりでかいバイクが多い


俺は今のところ大型には全く興味がない
バイクに関しては大型になるほど実用性が損なわれると思っている


俺は普段使いがメインなのでそんなにデカいバイクは必要ないのだ

 

所謂、ホンキの人たちの大型バイク。俺の激安ひとり用テントがバエる


もっとも、こんな考え方だからここに来るまでに非力なバイクで死にそうになったとも言える

とにかく、幸せファミリー層と大型排気量マウント勢に酒と肴を武器に立ち向かい、キャンプ初日は更けてゆくのであった 

 

この備えがあれば南海トラフ地震で焼け出されても大丈夫

 

続く(たぶん次で終わり)

バイクソロキャンプデビュー・荒船山へのデスハイウェイで地獄を見た③

俺は今まで命のキケンにさらされたことが何度かある

小学生の頃、近所に住む成金の家からドーベルマンが逃げ出し襲われた。

中学生の頃には頭の足りないバカヤンキーどもに集団で囲まれ滅多糞にやられた。

割と最近でも、借りた部屋にオバケが出てわずか3ヶ月で引越すハメになったりした。

他にもここにかけないような事もけっこうある

どれも命からがら乗り切ったが、今回は本当に死ぬかと覚悟した。

ゴールデンウイーク中の関越道とは言えずっと渋滞している筈もなく、しばらくするとスルスルと開通していくではないか
 
非力なバイクのフルスロットル走行に命のキケンを感じた俺は上里サービスエリアに逃げ込む。
 
目指す荒船山はまだ遠い。
俺は上里SA名物「こむぎっち焼き」を頬張りながら、いつ何があってもいいように両親宛に遺言をしたためる
 
 
「父と母へ
 
俺の銀行預金は全てドラえもん募金に寄付して下さい。
 
わずか50%の手数料でテレビ朝日が恵まれない人の為に役立ててくれるはずです。
 
それと、ノートパソコンと外付けHDDは中身を確認せずにそのまま焼却処分してください。くれぐれも保存された動画などは見てはいけません。絶対に」
 
 
コレでもう思い残すことはない
  
俺は再び16馬力の超絶非力バイクに跨り、上里サービスエリアをあとにする
顔面蒼白、ロデオボーイの如き振動に耐え、ホウホウノテイで下仁田インターにたどり着くのであった

そこから国道沿いに荒船山キャンプサイトを目指す

群馬をバイクで走るのは初めてだったが奥多摩や相模原と異なり、何というか自然が濃いのだ
山間に漂う空気が違う。
こんな感じを味わうのは何十年ぶりかも知れない

山道で標高が上がるにつれ気圧が変わったのがはっきりわかる

谷に架かる橋を渡るときには高所恐怖症でもないのに縮み上がる思いをした

やはり「秘境・グンマー帝国」と揶揄されるだけあり、恐竜が生き残っていても不思議ではないくらいの雰囲気だ

そして、名前の通り船のような形をしている荒船山が目の前に現れる
 



どこかで見たことがあるような気がしていたが、後で思い出した

クレヨンしんちゃんの作者、臼井儀人先生がダイブしてしまった山でニュースで見たことがあったのだ

そんな荒船山が眼前に広がる「荒船パノラマキャンプフィールド」に、ようやくたどり着く

俺は生きて再び大地に立てたことを神に感謝した
 

続く 
 

バイクソロキャンプデビュー・荒船山へのデスハイウェイで地獄を見た②

あまり緊張しないタチだが、流石に初めての高速道路なので少しビビる。

60リットルのバカデカい防水バッグにキャンプ道具一式を収め、バイクに積載し練馬へ向かう

鼓動が次第に高まる中、川越街道の交差点を曲がり、大泉ジャンクションから関越道に入るとすでにスピードの次元が全く違

これまで経験したことのない汗が額につたわるのがはっきりと感じられた

 

 

 

まだ料金所にたどり着いてもいないのに早くも後悔し始める



俺はバイクにETCを付けていないので、料金所で通行券を受け取るのもタイヘンなのである

止まってグローブを外し、通行券を受け取り、エストバッグにしまい、またグローブを着ける

その間にも後続の車両から猛烈なプレッシャーを浴び続けるのだ

 

「ナメるんじゃねぇよ…」

 

煽られてもいないのになぜか敵意をむき出しにしつつ、最初の難関・料金所をクリアし、いよいよ高速道路に合流するのである。

俺は非力なバイクのスロットルを全開し必死でハンドルにしがみつく

たった16馬力しかない愛車CB223Sは、敵艦に特攻するゼロ戦の如く凄まじい唸り声をあげる

俺の脳裏に『死』という文字が浮かぶ

「関越道、バイクの転倒により運転手が死亡、事故の影響で所沢インター付近5キロの渋滞」

つい自分が事故死して夕方のニュースになる事を妄想する

しかし、俺も何の算段もなくこのバイクで高速に乗ったワケではない

今はゴールデンウイーク中であり、当然高速は渋滞する筈。そうなればコチラのものなのだ

目論み通りに所沢ICを過ぎた辺りから渋滞になり 、カードライバーどもが舌打ちする中、俺は一人密かにでニヤリとするのだった。

↓↓俺が必死で高速に乗る模様↓↓

www.youtube.com


続く






バイクソロキャンプデビュー・荒船山へのデスハイウェイで地獄を見た①

突発的にバイクソロキャンプを実行しようと思いつく

少し前の話だが、今年のゴールデンウイークは11連休と長かった。
俺は暇になるとやらんでもいい余計なことをやり始める変な癖がある

今回は前々から興味があったバイクソロキャンプをやると決めた

暇で時間だけはあるので行動は早く、Amazonで必要なものを片っ端から注文し、翌日には全て揃えたのである

テント、寝袋、マット、イス、机、ランタン、バイクに積むための容量60リットルの防水バック


これらがあればとりあえず何とかなる

さらに、炭火焼きをするためのコンパクト焚き火台とイワタニのバーナーを購入する。

俺は肉でも魚でも炭火焼きが好きで、これがやりたい為にわざわざキャンプに出かけるのだ

これだけ揃えても3万あればお釣りが来る。よくユーチューブなどで1万円で全部揃う、などとやっているがあれはウソなのである。本当はもう少しかかる。



そして夜、飲みながら肝心のキャンプ場を探す

俺の住む国立市からは奥多摩や神奈川県方面が近いくていいが、連休のせいでどこも予約が一杯で行く気が失せる

少し遠くても快適そうなところを探すと「荒船パノラマキャンプフィールド」と言う名前からしてヨサソゲなところをみつけ、ネットで予約した

 

荒船山パノラマキャンプフィールド


マップで経路を調べると高速を使えば2時間半くらいだが、俺はバイクで高速を走ったことがない


さらに、俺の愛車は単気筒223cc、かなり非力なのだ

下道の街乗りは快適なのだが、高速となるとかなり心もとない
下手すると走行中にエンジンが火を吹きバイクもろともバラバラになってしまいかねない

だが、大型トラックなどは「高速は80キロで走行します。お先にどうぞ」と記したステッカーを貼っているのをよく見かけるし、遅い車をロックオンしてついて行けば大丈夫だろうとタカをくくっていた。

後にこの甘い判断が、いつ死んでもおかしくない地獄への片道切符になるとは、俺はまだ気づいていなかった

続く