ikachu’s blog

酒、バイク、サバイバル

嘆きの富士山麓・ふもとっぱら④ヤンキー救世主、現る

翌朝、小雨が降る中、俺は道具一式を積載し重くバランスの悪くなったバイクのハンドルを握りしめ、キャンプ場を駆けずり回っていた。

所謂「押しがけ」でエンジンを始動させようとしているのだ

知識として聞きかじっていたが一度も試したことはない

息が上がり、汗だくになりながら何度試してもまったくエンジンはかからない

俺はついに力尽きて膝を落とし天を仰いだ

このときの俺はきっとプラトーンのウィレム・デフォーのようになっていたに違いない

 

神は我に試練を与え給うた


話は昨晩に遡る

日も暮れたので充電式LEDランタンを出すが、何故か全く点灯しない

接触不良か?といろいろ試すかウンともスンとも言わない

仕方ないので予備のモバイルバッテリーに繋ぐとこちらもかなり弱々しい

両方とも数週間前に雨天中止したキャンプの前日に充電している筈だが、時間を置くと漏電するのだろうか

暗闇の中て酔った頭で考えると、すごい事実をハタと思い出した。

中止したキャンプの後に新戸キャンプ場へばっちり行っていたのである。

それ以降充電していないので使えないのは当たり前だ

どうする…

このまま夜が明けるまでマンジリともせずじっと待つのか…



だが、俺はこういう事態に咄嗟の機転が利くのだ

バイクのナビ用USBポートで充電し、ヘッドライトを灯りにすれば一石二鳥ではないか

コレで一件落着、と俺はさっそくバイクにキーを刺しランタンを充電しつつヘッドライトの灯で宴を続け、酒に酔いひとりいい気分で寝たのであった。

 



で、翌朝。

昨晩の俺の愚行により、当然バイクのバッテリーは完全に上がってしまったのだった。

つまり、俺はエンジンをかけずにバッテリーを使用するとこうなることを知らなかったのだ

とにかく、いつまでもプラトーンごっこしていても埒があかない

管理棟に行き、片耳だけピアスを10個くらいしている係員の金髪ギャルに事情を説明すると、なんと対処してくれるとの事。

軽トラでイカつい兄ちゃんが来てバイクとバッテリーを繋いでくれたのである

やはり昨日ヤキニクのタレを神に捧げておいて良かった。
見た目はイカついが、こんな親切な係員に出会えたのだ

まあ、手間賃1000円ばっちりとられたけれども。

斯くして、出発する前に既に披露困ぱいした俺はやっと帰路につけたのだった

エンジンはまだ不安定ながらもちゃんと動いている

だが、この後、

神は俺にさらなる過酷な試練を与え給うのであった

続く